『たかが世界の終わり』
この作品を大きなスクリーンで観ることが出来て、
私は、映画に関する運が本当に良いのだなっと思う。
普段の観劇では味わえない臨場感。
感情が激しく動くときに起こる身体のあらゆる変化が
まるでその場にいるように、肌で感じ取るように伝わってきた。
思いが伝わらないもどかしさは、どうしてあんなにも痛いのだろう?
アフタートークの時に内田健司さんがお話しされた通り
とても難解な戯曲。
理屈に感情を絡めるって…
フランス人って…
コロナ禍にあの戯曲を演じるって、
本当に俳優さんて大胆で賢明で計り知れなくて、
興味が尽きない人たちだなぁって思う。
藤原季節さんが「蜷川幸雄さんに憧れて…」
と話されていたのだけど、大丈夫、ちゃんとその遺伝子は受け継がれてるって、
あるシーンを観てて思っちゃった。
撮影場所のさいたま芸術劇場にも今回見たスクリーンにも
蜷川幸雄さんは、今も生きてるのだと思えた。
やっぱすごいよね、(良い意味で)怪物だよね。
周本絵梨香さんが話されていたこの作品を演じるに至ったきっかけとなった、
村上春樹さんが語った洞窟のお話もすごく印象的だった。
「物語は暗闇のかがり火」というお話。
このお話、聞いてるとき感激して泣いてしまった。
映画も演劇も暗闇の中に灯される光の中で展開する芸術。
私たちはその暗闇の中で光を追いかけながら、いつも答えを探している。
この作品、いつかまたどこかでお目にかかるのは難しいらしく、めちゃめちゃ残念なのだけれど
持ち前の運の良さで観ることができたし、今もしっかり心に爪痕残してくれているので、
これからも時々思い出して、いろいろ考えちゃうんだろうなぁ。
どちらかというと、私の生き方ルイに似てるので。(その話はまたいつか)
いつかまた第7世代実験室×藤原季節の舞台が実現してくれることを
切に願っています。
映画、終わった瞬間に「舞台で観たいー!!」って思ったから。
どうか、お願い。
めちゃめちゃキュートで素敵なお三方でした。
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